法人が普通預金利息を受け取った場合の処理

 普通預金の金利については、長らくゼロに近い状態が続いていましたが、近年、インフレや景気回復を背景に、政策金利が引き上げられ、それに伴い預金金利も上昇してきましたね。
 法人が普通預金の利息を受け取った場合、その受取利息は法人の収益として認識され、課税対象となります。
 ただし、実際に銀行口座に振り込まれる利息の金額は、税金(源泉所得税および復興特別所得税15.315%)が控除された後の金額となっています。
 なお、平成27年まではこの税金に加えて、都道府県民税利子割(5%)も課税されていましたが、現在は廃止されています。


【仕訳例】

 たとえば、普通預金口座に100円の利息が振り込まれた場合、税引前の受取利息は118円、差し引かれた税金は18円と考え、以下のような仕訳になります。

 銀行の通帳には「100円」と記載されますが、実際には、税引前の利息118円に対して15.315%(18円)の税金が源泉徴収され、残額100円が振り込まれていることになります。


【税引前利息の計算方法】

 税額が不明な場合は、入金額から次の計算式で逆算して求めることができます。

  1. 受取利息の金額=入金額 ÷ (1-15.315%) ≒ 入金額 ÷ 0.84685
  2. 税金の金額=受取利息 × 15.315%

 上記の例で100円が振り込まれた場合:

  • ① 受取利息 = 100 ÷ 0.84685 ≒ 118円(円未満切捨て)
  • ② 税金 = 118 × 15.315% ≒ 18円(円未満切捨て)

【源泉所得税と復興特別所得税の取り扱い】

 預金利息から差し引かれる源泉所得税および復興特別所得税は、法人税の前払い的な性格を持ちます。原則として、決算時に法人税からこの金額を控除できます。これを「所得税額控除」といいます。


【所得税額控除を受けるための手続き】

 所得税額控除を受けるには、次の書類に必要事項を記載する必要があります。

  1. 別表六(一)に、収入金額および源泉徴収された所得税・復興特別所得税の金額を記載
  2. 別表四の「法人税額から控除される所得税額」欄に、控除対象額を記載
  3. 別表一の「控除税額」「控除税額の計算」欄に、控除金額を記載し、最終的な納税額を算出

 

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