国税の納付は「ダイレクト納付」が便利!メリット・利用方法・自動ダイレクトを税理士が解説

 法人税や消費税、源泉所得税などの国税を納付する際、「毎回、銀行に納付書を持って行くのが面倒」「インターネットバンキングを使わずに納付したい」「納付期限を忘れないようにしたい」という方におすすめしたいのが、国税庁の「ダイレクト納付」です。

 ダイレクト納付を利用すると、e-Taxで申告などをした後、あらかじめ登録した銀行口座から国税を直接引き落とすことができます。
 特に、毎月または半年ごとに源泉所得税を納付している事業者にとっては非常に便利な制度です。今回は、仙台市の税理士が、ダイレクト納付の仕組みやメリット、利用方法、注意点について分かりやすく解説します。

1 ダイレクト納付とは?

 ダイレクト納付とは、e-Taxを利用して申告書や納付情報を送信した後、あらかじめ登録しておいた預貯金口座から国税を引き落とす納付方法です。
 納付方法は、

  • すぐに引き落とす「即時納付」
  • 日付を指定して引き落とす「期日指定納付」

 から選択できます。
 インターネットバンキングの契約は必要なく、ダイレクト納付自体の手数料もかかりません
 一度登録しておけば、その後はe-Tax上で納付手続きを行えるため、金融機関の窓口へ納付書を持って行く必要がなくなります。

2 ダイレクト納付はどんな税金に使える?

 ダイレクト納付は、幅広い国税について利用できます。
 事業者が利用することの多いものとしては、

  • 法人税・地方法人税
  • 消費税・地方消費税
  • 所得税・復興特別所得税
  • 源泉所得税・復興特別所得税
  • 相続税
  • 贈与税

 などがあります。
 特におすすめなのが源泉所得税の納付です。

 給与や税理士・司法書士などへの報酬から源泉徴収した所得税は、原則として毎月、納期の特例を利用している場合でも年2回納付する必要があります。
 ダイレクト納付を利用すれば、e-Taxで所得税徴収高計算書を送信し、そのまま登録口座から納付することができるため、納付書を作成して銀行へ行く手間を大幅に減らすことができます。

3 ダイレクト納付のメリット

① 銀行へ行く必要がない
 最大のメリットは、金融機関の窓口に行かなくても納税できることです。
 特に会社の場合、
「税務申告は電子申告なのに、納税だけ銀行へ行っている」
 というケースも少なくありません。
 ダイレクト納付を導入すれば、申告から納税までオンラインで完結しやすくなります。

② インターネットバンキングが不要
 インターネットバンキングを利用した電子納税もありますが、ダイレクト納付の場合は、インターネットバンキングの契約をしていなくても利用できます。
 また、ダイレクト納付について納付手数料はかかりません。

③ 納付日を指定できる
 ダイレクト納付では、すぐに納付するだけでなく、納期限までの日を指定して納付することもできます。
 例えば、
 法人税の申告は5月20日に終わったが、口座からの引落しは納期限の5月31日にしたい
 といった使い方ができます。
 資金繰りを考えながら納付日を設定できる点もメリットです。

4 「自動ダイレクト」ならさらに便利

 現在は、通常のダイレクト納付に加えて「自動ダイレクト」という仕組みもあります。
 自動ダイレクトでは、e-Taxで申告データを送信する際に「自動ダイレクトを利用する」にチェックを入れることで、申告と同時に納付手続きを行うことができます。
 原則として、法定納期限の日に登録口座から自動的に引き落とされます。
 なお、法定納期限当日に申告した場合には、原則として翌取引日の引落しとなります。
 従来のダイレクト納付では、

① 申告データを送信する
② e-Taxのメッセージボックスを確認する
③ ダイレクト納付を選択する
④ 納付日を指定する

 という操作が必要でした。
 自動ダイレクトを利用すれば、申告時のチェックだけで納付手続まで行えるため、納付手続のし忘れを防ぐ効果も期待できます。

5 ダイレクト納付を利用するには事前登録が必要

 便利なダイレクト納付ですが、申告直前になって突然利用できるわけではありません。
 事前に、

① e-Taxの利用開始手続きをする
② 納税用確認番号などを登録する
③ ダイレクト納付利用届出書を提出する
④ 税務署・金融機関での登録完了を待つ

 という準備が必要です。

【法人の場合】
 法人の場合は、原則として『国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書』書面で所轄税務署(業務センター)へ提出します。
 書面提出の場合、利用可能になるまで1か月程度かかる場合があります。
 そのため、「次の決算から使いたい」「源泉所得税の納付をダイレクト納付に切り替えたい」という場合には、早めに準備しておくことをおすすめします。

【個人の場合】
 個人の方は、一定の場合、ダイレクト納付利用届出書をオンラインで提出することもできます。
 国税庁によると、オンライン提出の場合、利用可能になるまでの目安は約1週間です。

6 ダイレクト納付で注意したい「残高不足」

 ダイレクト納付で最も注意したいのが、引落口座の残高不足です。
 口座残高が足りず納付できなかった場合、e-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付エラー通知」が格納されます。国税庁も、納付手続後には納付状況を確認するよう案内しています。
 特に法人税や消費税など金額が大きい場合は、「ダイレクト納付を設定したから大丈夫」ではなく、引落日の前に必ず口座残高を確認することが重要です。
 納期限を過ぎてしまえば、状況によっては延滞税が発生する可能性があります。

7 領収証書は発行されない

 もう一つ注意したいのが、ダイレクト納付では紙の領収証書が発行されないことです。
 納付が完了すると、e-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付完了通知」が格納されます。
 したがって、経理上はこの完了通知などで納付状況を確認することになります。
 紙の領収証書が必要な場合には、金融機関等の窓口で納付する必要があります。

8 税理士が納付手続きを行うことも可能

 ダイレクト納付は、一定の手続きを行っておけば、税理士が納税者に代わって納付手続きを行うことも可能です。
 例えば、

  • 源泉所得税の納付
  • 法人税・消費税の確定申告時の納付
  • 法人税・消費税の中間申告時の納付

 などについて、申告と納付をまとめて管理しやすくなります。
 「税金の納付を忘れていた」というリスクを減らす意味でも、電子申告を行っている事業者には相性の良い納付方法といえるでしょう。

まとめ

国税の納付はダイレクト納付がおすすめ!
利用届出書を書面作成して郵送するだけ!

 ダイレクト納付を利用すれば、

  • 銀行窓口へ行く必要がない
  • インターネットバンキングが不要
  • 手数料がかからない
  • 納付日を指定できる
  • 源泉所得税などの納付が簡単になる
  • 自動ダイレクトなら申告と同時に納付手続ができる

 など、多くのメリットがあります。
 特に、給与を支払っている法人や個人事業主の場合、源泉所得税は継続的に納付する必要があるため、ダイレクト納付を導入することで毎回の事務負担をかなり軽減できます。

 仙台市で会社を経営されている方、個人事業をされている方で、電子申告やダイレクト納付を活用して税務・経理業務を効率化したい方は、佐沼幸太郎税理士事務所へお気軽にご相談ください。
 申告だけでなく、日々の経理から納税まで含めて、事業者の負担を減らせる仕組みづくりをサポートいたします。

仙台市若林区土樋76ファミール愛宕202 佐沼幸太郎税理士事務所