令和8年9月から国税庁の「KSK2」が稼働予定|申告書・納付書・通知書はどう変わる?

国税庁では、納税者の利便性向上と税務行政の効率化・高度化を目的として、令和8年9月から次世代の基幹システム「KSK2」への移行を予定しています。
KSK2への移行に伴い、所得税や消費税の申告書、納付書、税務署から届く通知書などの様式が順次変更されます。
特に書面で申告・納付を行っている方は、これまでと見た目が大きく変わる書類もあるため、主な変更点を確認しておきましょう。
なお、本記事は令和8年8月1日時点の国税庁発表資料から作成しています。
1 KSK2とは?
KSK2とは、国税庁が現在使用している基幹システムを刷新した次世代システムです。
これまで紙を中心に処理していた申告書などについて、記載内容をより広くデータ化するため、AI-OCRが導入されます。
AI-OCRとは、申告書に記載された文字や数字を読み取り、データとして取り込む仕組みです。
これに対応するため、申告書には次のような変更が加えられます。
- 1文字ずつ区切られた記入欄から、自由に記入できる「フリーピッチ枠」への変更
- 読み取り項目への識別番号の追加
- QRコードや様式IDの追加
- 原則として白地に黒い枠線を使用
新しい様式は、単にデザインが変わるだけではなく、税務署側で申告内容をデータとして処理しやすくするための変更です。
2 新しい申告書はいつから使われる?
国税庁の資料に記載された主な公開予定は、次のとおりです。
| 書類 | 公開予定 |
| 申請書・届出書 | 令和8年6月 |
| 令和3年分から令和7年分の所得税申告書 | 令和8年8月 |
| 消費税申告書 | 令和8年8月 |
| 令和8年分の所得税申告書 | 令和8年12月 |
ただし、資料では現時点の予定であり、今後変更される可能性があるとされています。
また、新しい様式に切り替わった後でも、旧様式を使用して提出された申告書や申請書が直ちに受け付けられなくなるわけではありません。
一方で、過去に入手した申告書は内容自体が古くなっている可能性もあるため、提出時には最新の様式を使用するのが安全です。
3 書面の申告書はどのように変わる?
一部の書面申告書は、AI-OCRで文字や数字を読み取れるレイアウトに変更されます。
従来の申告書では、文字を1文字ずつ記入する枠が設けられていましたが、新しい様式では記入位置を固定しないフリーピッチ枠が採用されます。
また、一部の書面申告書では「控用」がなくなる予定です。
なお、今回の様式変更は書面で提出する申告書が中心です。e-Taxで申告する場合のデータや申告方法に直接影響するものではありません。
国税庁もe-Taxによる申告を推進しているため、今後は書面申告よりも電子申告の方が手続を進めやすくなる場面が増えていくと考えられます。
4 法定調書合計表の税務署での印刷が廃止
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」についても、レイアウトが変更されます。
これまで税務署ではOCR様式を印刷し、窓口への備付けや年末調整関係書類への同封を行っていました。
今後は、税務署でのOCR様式の印刷を廃止し、納税者が国税庁ホームページから印刷して使用する方式になります。
従業員を雇用している事業者や給与計算を行っている会社は、年末調整や法定調書の提出時に注意が必要です。
5 通知書の番号が「お問い合わせ番号」に変わる
税務署から送付される通知書には、その文書を特定するための番号が記載されています。
KSK2への移行後は、従来の番号に代わり、13桁の「お問い合わせ番号」が使用されます。
このお問い合わせ番号は、納税者ごとに固定された番号ではなく、税務署が発行する通知書などの文書ごとに付番されます。
税務署へ問い合わせる際に、通知書に記載されたお問い合わせ番号を伝えることで、担当者が対象の文書を確認しやすくなります。
6 納付書の整理番号も13桁に変更
納付書や所得税徴収高計算書についても、レイアウトが変更されます。
現在の納付書には8桁の「整理番号」が記載されていますが、変更後は13桁の「お問い合わせ番号」欄に変わります。
ただし、当分の間は旧様式の納付書も使用できる予定です。
税務署の窓口などで交付される所得税徴収高計算書については、従来の複写式の用紙から、A4用紙の様式へ変更されます。
7 申告書には「提出年月日」が表示される
申告書等閲覧サービスや申告書等情報取得サービス、開示請求により取得した申告書には、提出年月日と受付番号が申告書の上部に表示されるようになります。
ただし、税務署の収受日付印が押されるわけではありません。
申告書を提出した事実を確認する必要がある場合には、e-Taxの受信通知や、申告書等情報取得サービスなどを利用して確認することになります。
8 令和8年9月24日から電子交付の対象も拡大
令和8年9月24日からは、税務署長などが行う処分通知等について、電子交付の対象が拡大される予定です。
従来から電子交付されていた住宅ローン控除証明書や予定納税額の通知書などに加えて、次のような通知も対象となります。
- 更正通知書
- 決定通知書
- 更正すべき理由がない旨の通知書
- その他の各種処分通知
対象となる通知は約1,000種類に拡大される予定です。
また、電子交付への同意方法も、申告や申請の都度同意する方式から、事前に一括して同意する方式へ変更されます。
電子交付された通知書はe-Taxのメッセージボックスに格納され、登録したメールアドレスにも通知が届きます。
9 まとめ
KSK2への移行によって、令和8年中に申告書や納付書、税務署から届く通知書の様式が順次変更されます。
特に注意したいのは、次の点です。
- 書面申告書がAI-OCR対応様式に変わる
- 納付書の整理番号が13桁のお問い合わせ番号に変わる
- 一部の書類は税務署での印刷・配布方法が変わる
- 申告書の写しには提出年月日と受付番号が表示される
- 電子交付される税務通知が大幅に増える
旧様式も当分の間は使用できるとされていますが、申告や届出を行う際には、国税庁ホームページで最新様式を確認することが大切です。
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